弁護活動のポイント
否認事件で重要と考えられる場面について,私たちの弁護活動をご説明します。
⑨「弁論」
裁判の最後に、弁護人は必ず「最終弁論」を行います。
最終弁論は、依頼者が無罪になるべき理由や、どのような刑が適切か等について、証拠に基づき意見を述べる場です。
証拠調べ(尋問など)が終わると、検察官の意見である論告求刑が行われ、その後に弁護人の意見である最終弁論、被告人の最終意見陳述、という流れになります。
不十分な弁護活動
- 判断の分かれ目を意識しない
- 不利に見える証拠について正面から議論しない
- 書面を棒読みする
- 証拠に触れず、弁護人が考えるストーリーを語るだけ
- (裁判員であれば)一般の方が知らない難しい法律用語をたくさん使う、長大な書面を提出する
○ 私たちの活動
弁論は説得の場です。
難解な文章を書いた書面を読みあげるだけで、裁判官や裁判員を説得することは難しいでしょう。
必要に応じて、プレゼンテーションソフトやパネル等、目で見てわかる資料を使いつつ、耳で聞くだけで理解できるものにすることも必要です。
それは裁判員裁判に限るものではありません。
そのような弁論を行うためには、経験や訓練が必要不可欠です。
また、弁論では、証拠をどのように見るか、証拠から言えることはなにか、ということを中心に議論することになりますが、ポイントを押さえ、判断の分かれ目に対して、説得的な議論を展開しなければなりません。
弁護人の力量が最も大きく現れる場面といえるでしょう。