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弁護活動のポイント

否認事件で重要と考えられる場面について,私たちの弁護活動をご説明します。

③「証拠意見」

検察官は、刑事裁判で有罪を立証するために、捜査書類や証人尋問などの証拠調べを裁判所に求めます。
これに対して弁護人は、当該証拠を調べることに異議があるかどうかの意見を述べます。
弁護人の意見を聞いて裁判官が証拠を採用するかどうかを判断することになります。

検察官が請求する証拠に対する弁護人の証拠意見はとても重要です。
特に書証に対しては、裁判の証拠にしてよい場合は「同意」、裁判の証拠にしてはいけない場合には「不同意」という意見を言います。

捜査書類というのは誰かが作成したものですが、その書類の記載内容が本当に正しいかどうかは、その作成者に直接尋ねなければ分からないことがあります。
もし書類を証拠にすることに同意してしまうと、原則としてその作成者を尋問することができません。
他方で、証拠とすることに同意しない(不同意)という意見を述べれば、証人尋問をして反対尋問をする機会につながります。

不十分な弁護活動
  • 証拠意見を決める前提として弁護士が被告人と話し合い・事情聴取をしない
  • 検察官が請求した証拠を被告人に差入れしない
  • 被告人の主張と食い違う点があるのに同意してしまう
  • 捜査機関が作成した証拠だからという理由で安易に信用してしまう
  • 被告人の供述調書(乙号証)を全部同意する
  • 争いがない事実が書いてある証拠だからと安易に同意する
○ 私たちの活動

捜査機関が作成する証拠というのは、基本的に捜査機関の意図に沿って作成されるものです。したがって、その作成者を尋問してみたら、弁護側に有利な話が出てきたということは珍しくありません。

そのため、被告人の主張と対立する内容の書証を不同意とするのはもちろん、客観的に争いようがないようにみえる証拠(実況見分など)や、専門家による意見(科捜研や医師などによる鑑定書等)も積極的に不同意として証人尋問を実施することを検討すべきです。

証人尋問や証拠物などの証拠は、弁護人が反対しても裁判所が必要であると認めれば採用することが可能です。
しかし、検察官が請求する証拠の中には、起訴されている事件と全く関係のない証拠(例えば、放火の否認事件なのに、傷害罪の前科を証拠で出してくるなど)や、関連性の乏しい証拠を請求することがあります。そのような証拠請求に対しては、関連性がない、必要性がない、などの異議を述べることが必要です。

裁判所を説得できるかどうかは、弁護人の説得力や力量によって変わってきます。

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