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否認事件の捜査弁護

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否認事件の捜査弁護

否認事件の捜査弁護

捜査段階とは、捜査機関が事件を裁判にするか決断する期間を指します。逮捕され、その後も勾留といって身体拘束が続けば、最長23日間の捜査期間があります。

捜査段階は、相手方である捜査機関が、取調べやその他の捜査を通じて情報を収集し、裁判のための準備をする期間です。
否認事件では、この捜査段階でどのような弁護活動を行うかで、起訴された後の裁判での戦い方は大きく変わりますし、場合によっては、捜査機関が起訴することを断念し、不起訴にする可能性もあります。

弊所で扱った事件にも、捜査弁護が功を奏して不起訴となった事件は多数あります。
捜査弁護のポイントについてご紹介します。

1.黙秘権を行使し、捜査機関に情報を与えない

まず何よりも重要なのが、黙秘することです。
捜査機関は、捜査段階でとにかく裁判で使うことのできる証拠と、その証拠集めのきっかけとなる情報を探し求めています。疑われている被疑者の話は、捜査機関からすればまさに情報の宝庫です。

捜査機関は情報を聞き出すだけでなく、取調べで被疑者が話したことを供述調書という書面にまとめて証拠化します。
証拠化されていると、仮に公判で違う話をしようとしても、取調べのときにした話が違うと主張され、結果的に裁判所からも信用されなくなってしまいます。
そして、資料や証拠を見せられずに、一方的に話をきかれる、取調べという異常な環境下では、どんな被疑者も記憶どおりに真実をもれなく語ることは困難です。

仮に真実を捜査機関に訴えたとしても、捜査機関はそれをそのまま真実として受け取ってくれるとは限りません。
記憶違いや誤解に基づいて、真実とは異なる話をしてしまったり、捜査機関がニュアンスの違う表現で証拠化したりすると、後から違うと言っても取り返しがつきません。捜査機関に供述調書を作らせてはいけません。

では、供述調書さえ作成されなければ良いかというと、そうではありません。
捜査機関の立場としては、被疑者の言い分を知れば知るほど、その言い分を否定できる証拠がないか、追加で捜査をします。
また、最近は、取調べの内容を録音録画することが増えてきており、書面にしなくても音声と動画が証拠になってしまうことがあります。

多くの否認事件で、黙秘権を行使することは有効ですし、必要です。
漫然と、取調べで自分の言い分を伝えればよい、というようなアドバイスをする弁護人がいるとすれば、それは刑事裁判の実務をよく理解していないアドバイスだと言えるでしょう。

2.不当な捜査に抗議する

黙秘をしていると、一般的に取調べでの追求も強く粘り強いものになってきます。
時には、黙秘していると裁判で不利に扱われると言われたり、黙秘していると勾留期間が延びると言われたり、様々な方法で黙秘を解こうとしてきます。
これらの働きかけは、黙秘権侵害に当たります。このような違法な捜査に対しては、弁護人が必ず抗議をすべきです。

抗議をすることの目的は2つあります。
1つは、捜査機関が違法捜査を繰り返さないために圧力をかけ、牽制することです。
もう1つは、捜査機関が違法捜査で作成した供述調書や、違法捜査で引き出された供述が記録された音声と動画を、裁判で使えなくすることです。

違法な捜査で獲得された証拠は、裁判で使ってはいけないと判断されることがあります。
その主張をすることに備えて、違法捜査があったことを、抗議書の送付という形で証拠化をします。
弁護人を信用して大丈夫かといって被疑者を不安にすれば、被疑者と弁護人の信頼関係を壊すもので弁護人選任権の侵害だと抗議します。

否認事件で黙秘をしていると、不当な取調べも起こりやすく、弁護人による十分な防御活動が必須です。

3.早期に証拠保全する

否認事件では特に、被疑者に有利な証拠は、弁護人が独自で収集する必要があります。

証拠保全の第一歩として、まず現場に足を運びます。
現場に行けば、犯行時刻を写した防犯カメラがあるかも知れません。犯行時刻に現場に行くと、その時刻に通りかかった人が事件当日もその場所を通っていて事件を目撃しているかもしれません。
一般に、防犯カメラ映像は早期に上書きされて、全てが保存されるわけではありませんし、目撃者の記憶も徐々に薄れていきます。いち早く証拠を見つけて、弁護人が証拠として保全する必要があります。

また、これは被疑者本人の供述についても同様です。
被疑者が、事件から最も近い時期に、どのような話をしていたのか、もし黙秘権を行使したのであれば、記録がされないことになります。
したがって、弁護人が積極的に記録し、証拠化する必要があります。このような弁護人が作成した調書の存在や内容が、審理に大きく影響することもあります。

証拠保全のためには、この証拠があるかもしれない、この証拠を保全した方が良い、といった豊富な想像力と経験から来る技術が必要です。早期に十分な証拠保全ができるかは、弁護人の技量次第です。

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